Tuesday, June 20, 2006

John Cage - Chess Pieces, Sonatas and Interludes, and Rieti - Chess Serenade (2005)

John Cage - Chess Pieces, Sonatas and Interludes, and Rieti - Chess Serenade

ドキュメンタリーが三つと、chess piecesの演奏風景。Sonatas and Interludesの映像は、楽譜が出てくるだけ。prepno作品の演奏風景は、ない。1分30秒程しかないし、なくても時間が短い、とは思わないのに、Vittorio RietiのChess Serenadeが含まれている理由がちょっと分からない。別にいらんやん。
ケージの死後に、chess piecesという失われていた作品を生み出した、みたいなドキュメンタリー。
それより、prepnoの準備の実際が分かるのが面白い。
以下、ドキュメンタリーに関するメモ

John Cage's Prepared Piano
prepnoの説明。具体的なpreparation(何か良い邦訳はないものだろうか)や実作の一部の演奏などがあって、興味深い。日本語字幕があれば、授業に使える。

prepnoの発明は、1938か1940でnobody is sure about the date by Margaret Leng Tanと説明していたけど、そうだったっけ?MLTの英語は、分かり易い。
ch.3で、Bacchanaleのpreparationを具体的にやってみせてくれている。

4:00: JCからMLTへの手紙。prepnoはガムランを思い出させるし、20SのCowellを思い出させるけど、意図的にそうしたわけではないらしい。
11:00: prepnoの問題: 各作品でtable of preparationは異なるので、複数のprepno作品のコンサートを行うには、複数台のピアノを用意しなければならない。
11:50: Sonatas and Interludesのpreparationには、3時間かかるらしい。
20:25: the preparation nver damages the pianoらしい。
23:30-24:30: An American Pencil Company eraser, #346の話。いまや入手できないので、MLTは別の消しゴムを使う。'I think it's a good solution.'
24:30-: pedalsについて
28:50-: ケージはSteinway O Modelを使っていたらしい。
30:00: non-tempered tuningのようだ、という言及
34:00-: prepnoはpersonal choice, tasteに関わる音楽だ云々

Empty wordsにbadly tuning prepared pianoを聞いた時のケージの感想が書かれているエピソードがあるらしいのでチェックしておくこと。

Chess Pieces (1944)
1944年にChess Showというものがあったらしく、ケージはこれにdrawingを出していたらしい。この絵画自体は、その後、どこかに$100で売れたらしい。
1944年なので、Max ErnstやPeggy Guggenheimと親交が深かった時期で、psychoanalysisに通って東洋思想を発見したり、Xeniaと離婚した時期。
1943の日付のmanuscriptはあったけど、今まで誰にも演奏された記録はないし、学者達もみんな、unsompletedだと考えてきたらしい。
それを、その絵画を発見した美術史家がMLTに連絡してスコアに直して演奏してもらう、というのが、このDVDの目的。MLTは、この絵画に基づいて仕事をしたけど、NYPLのmanuscriptも大いに参考したらしい。
絵画は、Mark Tobeyの影響を感じさせるもので、スコアが8×8の64の升目に白と黒で描かれているものなので、'a work that can be played and played on'らしい(この絵画をチェス・ボードに見立てることも出来るから)。

5:40-: interpretationのプロセスを説明している。1940年代のものなので、完全に記譜されている。
8:20: beautiful as calligraphy
11:30: signatureもある。
13:00: tempo, instrumentationの指示がない。chess gameのように、プレイヤーが速度を決めるし、チェスには二人必要なように、右手と左手を使う楽器が必要なのに違いない、という解釈をしたらしい。
17:30-: 1944という日付に関する戸惑い
21:30-25:00: Xeniaの話。the Cooper Hewitt Museumで働いていて、1995に他界したらしい。1944のChess Showのために、Chess tableを作ったらしい。CageはずっとXeniaに変更した住所を知らせ続けていた、というのは、先週Northwesternで初めて知ったけど、Xeniaに関する言及は、ほとんどないはず。そういや、このDVDでは、ケージのsexualityに関する話は全く出てこなかった。
28:00: Vittorio Rieti (1898-1994): 誰か知らないけど、ヨーロッパの新古典主義者で、ケージと同じくサティとの関連が深く(六人組の周辺にいたらしい)、ダンスのために音楽を作り、また、Chess Serenadeという作品のためのスコアが、Noguchi Museumに飾られているらしい。

John Cage's Box of Preparations
ケージが、実際のpreparationに使ったボルトや消しゴムなどが、各音毎に封筒に入れられて保管されているらしい。Laura Kuhn (John Cage Trust)は、こういうものも保管していたらしい。
MLTは、これらを一つ一つチェックしていったりもする。

1:50-2:50: An American Pencil Company eraser, #346の話
8:00-10:00: damperからの距離は16分の1インチ単位で指示されているのに、ボルトの大きさは指示されていなかったりもするらしい。MLTは、ということは、これは演奏者の好みの問題だ、と解釈するらしい。
12:00: この箱を見たから、次からは今までとは違うやり方でpreparationをする、と話すMLT。
12:30: 最後にフィルムをまとめるためのお話。この箱の中にJohn Cage;s inkfull penを見つけたらしい。ということは、ケージは、Sonatas and Interludesを書くのにこのペンを使ったはずで、ケージのalmost calligrapherのように美しいスコアはこれで書かれたはずだ云々。

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