Wednesday, April 12, 2006

音楽言語論の構造:とりあえずの簡単なまとめ(学部生に説明する程度のまとめ)

簡単に概略をまとめられる話じゃないことを思い出した。
誰か、何か、教えてくれないものだろうか。
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課題:スクラッチが「うめいている言葉」に聞こえる、という現象を説明すること
方法:「音楽が言語のように聞こえる」とか「音楽は感情の言語だ」(ヴァッケンロ-ダ-など)という命題(?)の構造の説明
前提:音楽作品論と、音テクノロジーによる「音楽作品」概念の変化(既存の音楽作品論には、音テクノロジーによる変化、が組み込まれていないので)。つまりは(音楽)作品論。

今後の課題:ということは、音楽が「他者」のように「語りかけてくる」という印象は、どの程度「作品としての確固たる自律性」が確立しているか、ということを示す指標だと考えて、作品概念の不安定さ(テキストとしての作品)にまつわる議論を組み込めば、それは「程度問題」だ、という話になる気がする。作品論に関する文献は日本においてきたので、詳しくは帰国してから。きっと、「音楽美学」の何かに、そのものずばりの論文があると思うけど、思い出せない。ロマン主義と古典主義の話まで含めると、音響録音再生技術の話にいくまで、けっこうかかる気がする。そこで前提とされる言語観、という話も組み込むと大変なので、簡単に概要をまとめきれる話じゃなかった。話し言葉と書き言葉の議論も組み込まないといけない。

とりあえずできることは「音楽を音言語と呼ばれる習慣の中で音楽的思想(=楽想)を表現する。」という思想は、地域的・歴史的に限定されたものだが、そのそも「言語、思想」とは、地域的・歴史的に限定されたものでしかない、ということを意識しておくこと。
この命題(?)の構造を考えるためには、音楽作品論、音テクノロジーの音楽(作品概念)への影響、話し言葉と書き言葉の議論、等々を組み込むこと。全て、歴史的経過を把握しつつ、組み込むこと。
複雑なので、目的を決めて、帰国してから整理し直す必要がある。
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音楽作品の性格の不安定さ=「音楽=言語」という時の「音楽」は複数ある

「音楽」とされるもの:鳴り響いて現前する音響、テキストとして記譜された記号、聴き手の脳内で客体化されるもの(インガルテンなら「音楽作品」を「志向的存在」と捉える)、録音再生される客体としての(音テクノロジーによって客体化される)音楽作品
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前提
:音楽の作品としての性格は不確かなもの(ダールハウス 1989: 23)→「音楽作品」の歴史的な変化(音楽作品論)を考慮に入れること。
:1)「音として現前する対象としての音楽作品」(これこそが「音楽」だ、という観念は1800年以降)
:2)「音として現前していない対象としての音楽作品=記譜された記号」→「テキストとしての音楽」
:3)聴き手の脳内で客体化されるものとしての「音楽作品」
:orality, literacy, aurality:「言葉と書き言葉」「音楽と記譜」→対象を理解するために、音声化された現象を経由する必要の程度(ダールハウスは、音楽の意味は実際に音となって鳴り響くということと切り離すことは出来ない。」(ダールハウス 1989: 25)と考える。)

ダールハウスを利用する際の留意点
:ダールハウスの議論には、常に、ロマン主義、古典主義から現代(音テクノロジー以前)までの「歴史的」パラダイムの変化(1800年辺り:自律性への移行、芸術概念の成立、作品概念、作曲家概念の成立等など)が組み込まれている。
:ダールハウスは、「音楽」を、現象としての音にもテキストとしての記号関係(音と音との諸関係の総体)のどちらにも還元しない。スリリングに議論構造を抽出する人だ。
:「音楽の意味」を「志向的」(ダールハウス 1989: 26)と述べるのだから、インガルテン的とは言えるが、これはむしろ、ダールハウスが念頭においている「音楽作品」は、主に西洋芸術音楽作品だし、音テクノロジーの発展を議論に組み込んでいないから、と考えるべき。。

留意点
:「音楽作品論」を組み込むと、議論構造がややこしくなり続けるので、さしあたりは省略すること。
:「音テクノロジー」がもたらした「音楽作品概念」の変化については、カトラーを使用すること。
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参考書
Dahlhaus, Carl, Klassische und romantische Musikaesthetik, 1988
カール・ダールハウス『音楽美学』杉橋陽一訳、東京:シンフォニア、1989年、173頁(特に「テキストとしての音楽と作品としての音楽」と「「音となって鳴り響く内面性」の弁証法」)
カルル・ダールハウス『ダールハウスの音楽美学』森芳子訳、音楽乃友社、1989年、p.206+ix

C:\Documents and Settings\Owner\My Documents\study\memo\20001201CarlDahlhaus翻訳(2000年度岩城先生読書会).DOC
C:\Documents and Settings\Owner\My Documents\study\materials\20040405白石知雄
特に「言語と音言語」

カトラーの議論

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